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群青の夜の羽毛布

「どうしてあなたは、いくつになってもそうなの?」母は苛々した調子で言った。語尾が厳しくさとるの胸を刺す。「話があるのなら、そう言ってくればいいじゃない。機嫌を窺うみたいに、ちらちら人の顔を見て。どうしてそう卑屈なのかしら。」「…ごめんなさい」「どうしてそこで謝るの? もっとハキハキしてちょうだい」再び「ごめんなさい」が喉まで出かかって、さとるは急いで飲み込んだ。

 

 

ここで紹介されていて衝動的に購入した本

honcierge.jp

ストーリーは、ぼくが年齢を重ねているおかげで予想のつく内容ではあったんやけど、登場人物のバックグラウンドであったり、それぞれが抱えている闇や関係性が丁寧に描かれていてよくできた作品やった。
人間の狂気がテーマに描かれているだけあって非常に重い雰囲気で物語が進んでいき、読み進めていくのが辛くなるんやけど、不思議とストーリーの中に引き込まれてしまいって一気に読みきっちゃった。

また狂気とは別に、ぼくには主人公であるさとる(という名の女性。なぜ男性の名前なのかについても作中で描かれている)の置かれた境遇や彼女の持っている性質なのか性格なのか、それがどことなく気になった。

女の子達は、静かにさとるを無視した。そして気が向いた時に、からかったり嗤ったりした。
もう一度読むかどうかと問われると難しいな〜。今すぐ読み返すというのはちょっとしんどい。時間をおいてまた年齢を重ねた後でなら、また異なる味わいを楽しむことができるのかもしれない。